21歳で、都内の大手塾の講師をやっています。昨年春先、研修を終え新たに英語のクラスを受け持った頃、大学受験を控え新たに入塾してきた沙織と出会いました。沙織は元気で人懐っこい感じの子であり、よく僕のところに質問に来てくれました。クラスを持ったばかりでまだ緊張の抜けない僕にはありがたいことで、快活な彼女に内心惹かれる気持ちもありましたが、塾の方針として恋愛後法度・連絡先交換後法度であるので、そういう気持ちは忘れるようにしていました。秋になると生徒に対して受験校の相談も受けることが多くなってきました。そんなある時、授業後に沙織ともう一人受け持ちの子がやってきました。沙織は、K大を志望しているのですが、父には医大を強く勧められているようで譲ってもらえず、彼女は親と衝突し傷ついているようでした。「なんで、、、私は医者になりたいわけじゃないのに。。。なんで??」話しているうちに沙織は下を向いて声を震わせるようになりました。「○○(沙織の苗字)が、本当にしたいと思うことじゃないと、この先頑張れないと僕は思う。簡単ではないけど、お父さんには粘り強く気持ちを伝えていくしかないんじゃないかな。」「そんなこと、もう、、、話してるよ。でも。。。」沙織はうっすらと涙を浮かべ、震えた声でそう言います。「僕からも、お父さんに○○の気持ちを話してみるよ。だから、ほら元気だして。」「先生。。。」「僕に力になれることなら何でも言ってくれよ。でも、○○はなぜK大がいいの?」「だって、、、それは先生と同じ学校だから…!」「エッ…?」私はその言葉の意味が呑み込めず動揺うると同時に、どういうわけか胸の真ん中を激しく叩かれたかのような感触を覚えました。「…どういう、事?」「…だって、、、」友達はずっと静かに後ろで控えていたのですが、不意に帰ると言いだし教室を出て行きました。混乱したままの僕は、友達が出て行くのを呆然と見過ごしてしまいました。二人だけになった教室には張り詰めた空気だけが流れ、僕はうつむいたままの沙織を前にどうしていいか分からなくなりました。「先生、、、」沙織は不意に僕の側により、手を取りました。晩秋だったこともあり、沙織の手は女性特有の冷たさがあり、それがまた儚げに感じられて、、、次の瞬間僕は沙織の手を引き寄せました。「先生…?」少し驚いて見開いたような沙織の目を見て、私はハッとしました。僕たちはこんなことをしていい関係ではないんだ。。。そう思った瞬間沙織は僕の体に身を預けてきました。次の瞬間、心の中で何かが弾けて僕は沙織の背に腕を回し強く抱きしめました。沙織もそれに応えて僕の背中に腕を回します。そのままの姿勢のまま僕たちは固まり、僕は今まで感じたことの無いほど熱くなった自分の鼓動を感じ、また沙織の鼓動も彼女の胸から僕の胸に伝わってきます。ふと体を少しだけ離し見つめ合うと、僕の首に手をかけたまま沙織は目を閉じました。ほんのり紅潮し、かすかな手の震えを感じます。。。僕も沙織に応えるように再度体を引き寄せ唇を近づけました。
21歳で、都内の大手塾の講師をやっています。
昨年春先、研修を終え新たに英語のクラスを受け持った頃、大学受験を控え新たに入塾してきた沙織と出会いました。
沙織は元気で人懐っこい感じの子であり、よく僕のところに質問に来てくれました。
クラスを持ったばかりでまだ緊張の抜けない僕にはありがたいことで、快活な彼女に内心惹かれる気持ちもありましたが、塾の方針として恋愛後法度・連絡先交換後法度であるので、そういう気持ちは忘れるようにしていました。
秋になると生徒に対して受験校の相談も受けることが多くなってきました。
そんなある時、授業後に沙織ともう一人受け持ちの子がやってきました。
沙織は、K大を志望しているのですが、父には医大を強く勧められているようで譲ってもらえず、彼女は親と衝突し傷ついているようでした。
「なんで、、、私は医者になりたいわけじゃないのに。
。
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なんで??」話しているうちに沙織は下を向いて声を震わせるようになりました。
「○○(沙織の苗字)が、本当にしたいと思うことじゃないと、この先頑張れないと僕は思う。
簡単ではないけど、お父さんには粘り強く気持ちを伝えていくしかないんじゃないかな。
」「そんなこと、もう、、、話してるよ。
でも。
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」沙織はうっすらと涙を浮かべ、震えた声でそう言います。
「僕からも、お父さんに○○の気持ちを話してみるよ。
だから、ほら元気だして。
」「先生。
。
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」「僕に力になれることなら何でも言ってくれよ。
でも、○○はなぜK大がいいの?」「だって、、、それは先生と同じ学校だから…!」「エッ…?」私はその言葉の意味が呑み込めず動揺うると同時に、どういうわけか胸の真ん中を激しく叩かれたかのような感触を覚えました。
「…どういう、事?」「…だって、、、」友達はずっと静かに後ろで控えていたのですが、不意に帰ると言いだし教室を出て行きました。
混乱したままの僕は、友達が出て行くのを呆然と見過ごしてしまいました。
二人だけになった教室には張り詰めた空気だけが流れ、僕はうつむいたままの沙織を前にどうしていいか分からなくなりました。
「先生、、、」沙織は不意に僕の側により、手を取りました。
晩秋だったこともあり、沙織の手は女性特有の冷たさがあり、それがまた儚げに感じられて、、、次の瞬間僕は沙織の手を引き寄せました。
「先生…?」少し驚いて見開いたような沙織の目を見て、私はハッとしました。
僕たちはこんなことをしていい関係ではないんだ。
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そう思った瞬間沙織は僕の体に身を預けてきました。
次の瞬間、心の中で何かが弾けて僕は沙織の背に腕を回し強く抱きしめました。
沙織もそれに応えて僕の背中に腕を回します。
そのままの姿勢のまま僕たちは固まり、僕は今まで感じたことの無いほど熱くなった自分の鼓動を感じ、また沙織の鼓動も彼女の胸から僕の胸に伝わってきます。
ふと体を少しだけ離し見つめ合うと、僕の首に手をかけたまま沙織は目を閉じました。
ほんのり紅潮し、かすかな手の震えを感じます。
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僕も沙織に応えるように再度体を引き寄せ唇を近づけました。